閃きの独り言

✨感性のまま✨繫るまま✨気付きのまま✨

愛の形② 《創作》

f:id:mitukihana:20210925210708j:image

2021.9.25 夕焼け

 

💠

 

創作のお話しです。

続きです。

 

💠 


更に長い長い年月が経ち…


肉体を離れた男女の魂が、

再び肉体に宿る時がやってきました。


女が戻り…

そして男もまた戻り…


女は肉体を持ち、

同時に男も肉体を持ちました。


二人はまたその星に生まれ、再び出会う時が来たのです。

 

 

『知っている

初めて会うのではない

知らないけど知っている』


二人は心の中で、そう感じていました。


懐かしさと愛しさ…

けれど同時に

えもいわれぬ痛みが胸を指す。


女は男を目の前にして

自らに湧く強い愛情と憎しみにおののき…


男は罪悪感故に、

女に…子宮とハートを戻しました。


男は女が喜ぶ姿が嬉しかった、ただそれだけでした。


女の目から温かい涙が流れ…

その涙は男のハートをも満たしていくのでした。


女は…かつて奪われたハートと子宮を取り戻す事で、

自分と男の間に何があったかを思い出すことになりました。


共鳴し共振する。


男もまた…思い出していました。

二人の間に何があったか…を。


それを思い出す事は

それぞれの心の柔らかい場所を刺す…

 

二人の中の

遥かかなたに忘れ去っていた記憶を思い出す事は…


男の深くにある罪悪感が

女には慟哭が

愛の深さと同じだけ湧く事でもある…

ですが…もう止める事はできません。


凸凹が一つにもどり、◯となるために湧き出るものを感じ直す必要があったのです。


それはどれほど心を揺さぶり

肉体に負荷をかけたか

それは二人自身にか分からないことでした。


それに、それは、

かつてバランスを崩した

その星の男女陰陽エネルギーを回復させる意味もあります。


互いの心の痛みを超える事は

星のエネルギー回復でもあったのです。

 


女は男に素直に伝えました。


自らの慟哭を

自らの悲しみを

かつての想いを。


自らを神と名乗る存在から貴方を護りたかった事を。


争いになった事がどれほど悲しかったかを…


分かってもらえない事が悲しかった

それだけだった

と。


そして深く男を愛している事を。

 

男は…

俯き黙って聞いています。


女は…

真っ直ぐ男の目を見ます。


男は

 

『違う』

 

ひとこと。

 

それは何かを払拭したいがために、男の口から放たれたかのように…


『結果的に、私は騙された。

それは紛れもない事実。

だが、それは長く時を経た後の事、

私は自ら進んでソナタを封じた』


女の心には

別の痛みが沸き立つ…。


『私はこの星を豊かで便利な星にしたいと思った』


〜だから、私を退けた?


『そうだ』


〜女性性は必要無いと考えたのですね?


『…すまない』

 


女の心は空になりました。

自分のハートがすっぽりと空になるのをどうする事も出来ず…


嗚呼…


女は空(そら)を見上げるかのように、自らのハートの空(くう)を見、


しばらく感じた後…

男のハートに目をやりました。


男の心には

女と同じような空(くう)がありました。


女はその目を曇らせる涙を拭き、男の心の空を見つめました。


そこには

自分と同じ色がある。

 

ハートの形は全く違うけれど、色は同じだったのです。


 

男と女が◯でいた時代

自らを神と名乗る存在が現れる前の時代は…


女性性のエネルギー優位の時代でした。

女性性優位は、男性性優位とは真逆。

 

心は豊かではあるものの、不便な世界。

物質文明とは程遠い世界でした。


女性性は男性性を虐げ、男性性の不満が渦巻く時代でもありました。


だから、男は決断したのです。

女性性は排除しようと。


そして、男性性のエネルギー優位の時代を成し、便利で快適な物質文明を成そうと。


男は身を切る想いだった…


女を排除する事は、自らの女性性を削る事に他ならないから。

 

二つで一つだから。


女は男の、ことばにできない想いを、男の心の空の中に見たのです。


自分とは形が違う

でも、色は同じ。



女性性の時代が終わり、

女性性から男性性の時代に入る時


男と女は分断し

◯は凸凹となったのです。


凸は肉体次元であり物質次元

凹は霊体次元であり意識次元


凸は男性性

凹は女性性


合わさる事で一つとなる。

 

女性性の時代に女性性の良さと悪さを知り

男性性の時代にもまた男性性の良さと悪さを知った


そのために、

男は自らの肉体を削り

女は慟哭を負いました。

 


女は受け入れ護るエネルギー

男は全てを写し照らすエネルギー


男と女は凸凹

 

長く長く離れ離れだった一つと一つが、ようやく戻り、◯となる。

 

それを愛と呼ぶには…

ことばにした途端

消えてしまいそうになる。

 

 

でも、やっぱり

 

その形を

 

愛と呼ぶ


…のかもしれません。