愛の形① 《創作》
2021.9.25 夕焼け
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創作のお話しです。
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愛し合うひと組の男女がありました。
二つで一つ。
男は女のためにあり
女は男のためにあり
互いにあるものは、互いに無いものを補い合い
凸凹と組み合わさり、一つの◯のように…二人はありました。
ある時、
自らを神と名乗る存在が囁きました。
『私と組んでこの星を素晴らしい星にしないか?』と
男は存在を信じ
女は存在を信じませんでした。
男は星が良く成るなら…と
神と名乗る存在と組む事になりました。
女は存在を信じる事が出来なかった…
本当の神は自らを神と名乗ったりはしない。
男にそれを伝えても信じてもらえず、
いつしか◯に亀裂が入り始め…
神と名乗る存在を信じない女は、
異端者扱いされるようになりました。
神と名乗る存在は、
男を巧みに操り、男と女を仲違いさせ…
自分を信じようとしない女を退けました。
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男には強い霊力がありましたので、
神と名乗る存在は、
ことば巧みに男を騙してその霊力を我が物とすべく
霊体次元と肉体次元を分断して
霊体次元を封印する事で、男から霊力を奪い取り…
男は霊体次元を封印された事で、傀儡のようにされました。
神と名乗る存在は
そうやって…
女と男を分断し、
その国を我が物とすべく動いたのでした。
凸のエネルギーを我が物として、凸のエネルギーを利用してその国を成したのです。
人は男性性と女性性から成る。
男と女は凸凹です。
本来あるべき二人は引き離され
◯はいびつな凸と凹に分けられました。
これは、星の男性性と女性性のエネルギーバランスを崩す事となり…
男性性だけのエネルギーが優位になったその国は、
争いと殺戮
競争と勝敗
ばかりの国となりました。
物事は両面…
競争原理は男性性の原動力。
切磋琢磨というエネルギーは、文明を発展させるという素晴らしい側面もありましたが、
反面、他人に対しての思いやりという欠落した心を加速させる事にもなったのです。
★
男と女は争いになりました。
女は迫害され…追われ…
でも深く男を愛していましたので、
争いなどしたくない…
どれほど悲しかったことか…
『分かって欲しい…』
ただそれだけだった。
けれど…訴えれば訴えるほどに、溝は深くなるばかり…
そして…虚しく…
失われつつある自らの命を前に、
想いを噛み締める事になったのでした。
命はいつか尽きる
いずれ命は尽きる
これだけは全ての人間に平等で抗えない事実。
ただ、その時が早いだけ。
唯一の望みは…分かって欲しい。
自分の命を失うより、男から理解されない事が悲しかった。
女はそんな想いを負ったまま…
封印という眠りについたのでした。
★
女と男は一つの◯
分断はどれほどの痛みがあった事でしょう。
男への深い愛
同じ深さの悲しみ。
魂の片割れは切っても切れはしない。
悲しいかな、それは同時に
その星の男性性と女性性のエネルギーバランスを崩す事になり…
星は男性性だけのエネルギーが優位になり…
争いと殺戮
競争と勝敗
が、優位となったのです。
競争原理は男性性の原動力。
切磋琢磨というエネルギーは、文明を発展させるという素晴らしい側面もありましたが、
反面、他人に対しての思いやりという欠落した心を加速させる事にもなったのです。
男女は二つで一つ
もし、この時
男女が分断されてなかったなら
星の発展は違うものになっていたかもしれません。
互いに競争しながら、互いを思いやれる…
素晴らしい物質文明の発展と発達は成されなかったかもしれませんが、
心は穏やかで豊かだったかもしれません。
けれど、素晴らしい物質文明が開花した事は確かです。
物事は全て両面
どちらの面に良いも悪いも無い。
必要な事象が現れる
ただそれだけ…
それを神の采配と呼ぶのかもしれません。
★
その後
長い長い年月が経ち…
その星の物質文明は男性性のエネルギー優位で
素晴らしい物質文明は開花し…
発展を遂げ…
男の肉体も朽ち果てました。
つづく