2020.10.6
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かつて
男神と女神がありました。
愛し合い、仲睦まじくありました。
対立する神々達
2つに分断し、対立する神々は、
二柱を我が物にしようと画策する。
力ずくで、神々を…
男神と女神は、その渦に巻き込まれました。
男神は肉体と霊体に分断され、
肉体は封印され、霊体は利用されました。
女神は肉体も霊体も封印され、無き者にされました。
闇に埋もれてしまった。
二人は本来のパートナー
揃って本来の力を発揮する。
本来の力は、バラバラにされたのです。
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神々同士の争いは、
青い神々が勝利し、
男神の霊体は、青い龍族の女神がパートナーとなり、国を成す事になりました。
赤い神々は、
女神を封印する事で、青い神々から守りました。
そうする事でしか守れなかった
苦渋の選択でした。
女神はその国の宝を持っていました。
宝は3つ。
女神の霊体には鏡と剣を
肉体には玉を
それぞれに内包し、
女神は別々の場所に封印されました。
封印という形でしか宝を守れ無かった…
それが赤い神々の選択でした。
戦いに負けた赤い神々は散り散りになり、
中には青い神々から封印された者もありました。
★
青い神々は
必死に宝を探し…鏡と剣だけは見つけました。
国を成すには三つの宝が、どうしても必要だった、
女神の霊体の封印場所を突き止め…剣と鏡だけは見つけました。
けれど、玉は見つからない。
どうしても見つけられませんでした。
3つの宝は3つで1つ
3つ揃わなければ本来の力を発揮できません。
青い神達は
2つの宝だけを携え、
男神の霊体と青い龍族の女神を祀り、
その国を成していったのでした。
男神の、本来のパートナーである女神は欠いたまま…
宝は3つ揃わぬまま…。
★
赤い神々は、退けられたけれど
女神の肉体だけは死守し…
女神の肉体に玉を潜ませて、玉だけは守りきりました。
女神は、赤い龍族の女神として存在したのです。
赤い神々の元で、赤い龍族の女神としてありました。
赤い神々は、そうやって玉を死守しました。
青い神々に渡すわけにはいかなかったのです。
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赤い龍族の女神は
赤い神々とありましたが、本当の姿を隠し本音を封じていました。
本来は男神のパートナーであり、
赤い神と組する者では無い
赤い龍族の女神は、その真実を隠していた…
赤い神々はそんな女神の心に気付くはずもなく、
玉を守る…という
赤い神々の意図、
それを志と言うのかもしれません。
赤い龍族の女神は、その意図に従属するしかなかったのです。
従属…この言葉は正確ではなく、
そうするしかなかった。
赤い神々の想いは痛いほど理解していたから…。
心はいつも男神の側にありました。
側にありたいと願っていた。
引き離され、封印されながら、
でも…心は男神の側に…
と、願い続け、
本当に側にあったのかもしれません。
★
赤い龍族の女神は、
男神の本来のパートナーである女神の一部であり意図を継ぐ者
だから、赤い龍をまとってはいたものの本当の姿は赤でも青でもありませんでした。
赤でも青でもなく、
赤でもあり青でもある
どちらでもあり、どちらでもない
赤い龍族の女神はそんな存在でした。
そんな本来の姿を、赤い龍の姿の下に隠していました。
けして見られぬよう、けして悟られぬよう…
仲良くしたい
争いたくない
赤い神々も青い神々も大好きで
大嫌いだった…。
そんな本音をハートに封印し
複雑な心を必死に抱いていました。